明るく、楽しく、嫌らしく。 難しい事は易しく。 重い話題は軽くさばきます。 syn3の私的覚書きです。
イチローに見るアニミズム
2008年01月05日(土) 23:15
○まな板に上がったボビーフレイに怒った森本氏


以前に『料理の鉄人』という番組があり、その米国版で"Iron Chef"が日本で放送されたことがあった。 対決したのはボビー・フレイ氏と森本氏だった。 日本とほぼ同じ様に番組は進み、やがてタイムオーバーとなったとき・・・。

なんと、対戦者のボビー・フレイさんがまな板の上に乗りガッツポーズをしたのだった。もっと驚いたのは観客がそんな彼に大声援を送っていた事だった

その時鉄人の森本さんが、「彼は料理人ではない。まな板の上に乗った。私が勝つかはわからないが、まな板の上に乗った彼は料理人ではない。料理人にとってまな板は大切なものなのだ。」と怒りの声をあげたのだ。

柴犬も唖然とした。まな板の上に土足で上がっている料理人・・・。 しかも、そんな彼に観客は声援を送っている。 日本だったら、考えられない光景でしょう。 まな板の上に土足で上がる料理人がいるレストランで食事をしようとする日本人はそれほどいないだろう!?

結局、森本さんが勝利した(審査員に日本人はいなかった。)が、その後フレイは電気調理器で感電したなど、自分に不利に仕組まれていた様な言いぐさをしていたのも彼に対するイメージを悪くしたのだが。

そんなフレイの一件も昔の話となった去年の大リーグでびっくりする出来事があった。




○バットを足でぞんざいに扱った審判に激怒したイチロー。


前半のある試合で凡退した打席でイチローのバットを審判が、あろうことか足で蹴っ飛ばしてたそうでそれを見た彼は激怒!「ぶん殴ってやろうか!」とおよそ彼からは想像できないことを言ったそうです。

それを見たマリナーズのマクラーレン監督は審判に「イチローの道具を大切にする精神をリスペクトして欲しい」。と抗議を行いました。

大リーグでは地元の学校を訪問して、大リーガーが子供達に話しをする事が当たり前に行われているのですが、その席で毎回「道具を大事にする」ことの大切さを説いているイチローにとってバットやグローブをぞんざいに扱う行為は許せない事だったのは容易に想像できます。

この件は、フレイの一件と共に「道具」に対する、いや「物」に対する日米では文化の違いを改めて考えさせる出来事でした。なぜこのように大きな違いがあるのか? そう思っていた時にマクラーレン監督が、「イチローはバットやブローブなどをとても大切にするんだ。 まるで、バットを自分の友達で有るかのように扱うんだ。」

それを聞いたときに「ピン」と来たものがありました。




☆"Cool Japan" 「日本の魅力は神道 "animism"」と言った外国人オタク。


文化庁「宗教年鑑」によると、神道系が約1億600万人、仏教系が約9600万人、キリスト教系が約200万人、その他約1100万人、合計2億1500万人となっているらしいが、たぶん日本人の多くは自分に信仰らしい信仰は無いと考えているんじゃないかと思う。

が、しかし・・・。 日本のアニメやマンガを熱烈に愛し、自らを「オタク」と呼ぶコアな外国人が「日本の魅力のベースにあるのは神道」と言った時にはドキッとした。

多くの日本人にとって神道と言うかアニミズムは空気のように当たり前で意識さえしないが、外から見ればそれはしっかりと根付いていることが判るのではないだろうか?

『アニミズム』とは「万物には魂が宿る」という信仰である。(そんなの判ってる。) まな板と言うか調理場を神聖視し、それを土足で踏みにじられた事に怒りを感じた鉄人料理人森本。 バットを友人の様に思い、それを足蹴にされた事に激怒したイチロー。



彼らが物を大事に思う心には、「それらに魂が宿っている」と考えるアニミズムの信仰が根底にあると考えると自然ではないだろうか?  そして、森本氏やイチローの怒りをもっともだと感じる多くの日本人にもアニミズムはしっかと根付いているのである。

普段は意識されていない空気が、生きていくには必要な様に。

 | HOME | 

Designed by GALPOP BLOG + GALPOP.NET